査定価格の方法
一般の人が土地の価格を知りたくなった場合、わかる方法はないの?
土地の値段の種類はいろいろあるようだけど、やはり不動産のプロに聞かないとわからないのかな…
今回の話は、誰でも閲覧することができる査定価格の方法をお話しします
公表されている資料
(1)土地の路線価
路線価で公表されているものは、相続税や贈与税などの国税を計算するときの根拠とされる路線価です
これは通常「相続税路線価」といわれ、年1回1月1日時点の価格が各国税局(税務署)から出されます
地域の価値の差を比較するのに便利に使えるものです
時価の8割程度を目安として路線価がつけられています
(2)地価公示価格と基準地の標準価格
地価公示価格と標準価格は、これらを活用する人にとって何ら違いはありませんが、公にされるまでの作業などにおいて異なります
地価公示 地価公示価格
根拠となる法令
地価公示法
所管
国土交通相
土地鑑定委員会
鑑定評価をする人
不動産鑑定士2人
鑑定評価をする区域
全国の都市計画区域その他の公示区域内
土地の用途
住宅地、商業地、工業地、宅地見込地点市街化調整区域
閲覧
誰でも閲覧することができます
価格時点と公表する日
1月1日の価格時点のものを3月下旬頃に公表します
都道府県地価調査 標準価格
根拠となる法令
国土利用計画法
所管
都道府県
鑑定評価をする人
不動産鑑定士1人
鑑定評価する区域
当該都道府県の区域内
土地の用途
住宅地、商業地、工業地、宅地見込地、市街化調整区域
閲覧
誰でも閲覧することができます
価格時点と公表する日
7月1日の価格時点のものを9月下旬頃に公表します
簡便な方法
①公示地と路線価
土地については、査定に類似している地価公示地等を探し出し、それらの価格比をもって、公示地価格を査定地の価格に置き換えるという方法があります
この方法は、借地権などほかの査定にも応用できます
路線価があまり開すぎると精度が悪くなりますので、できるだけ似たような公示地などを選定します
もっと簡便な方法は、査定1の前面の路線価を0.8で割ってみるという粗いやり方もあります
②固定資産税用の価格
土地、建物ともに地方税法により課税されますが、これらの税額の根拠とされるものが、固定資産税用の価格です
価格は、時価の7割相当が一応の目安ですが、この価格は公表されていないので、相続税路線価を使うのが一般的です
固定資産税用の価格で参考になるのは建物価格です
建物価格の査定にはこの価格を根拠として査定することもあります
価格査定の注意点
価格査定で最も重要な点は「根拠が明確なこと」であって、価格の根拠を明らかにすることが価格査定の最終的な目的ともいえます
①価格売買事例について
価格査定には、売買事例等の取引価格は必要不可欠です
例えば、ある不動産の売買にあたっては売る側に特別の事情があって通常の価格より少し安かったとか、買う側に特別な事情があって少し高く買ったなどという事はよくあることです
(1)価格査定には「特殊な事情」が含まれているかどうかのチェックが必要です
含まれている場合には、適切な補正を施して通常のものにし、補正できない場合には採用できないと言うことにもなります
(2)その取引は最近のものであるかどうか
(3)地域の特性はよく類似しているか
(4) 不動産の持つ個別の特性は類似しているか
②査定内容
価格査定は、鑑定評価によるものでないことをはっきりさせます
③価格査定の根拠
・根拠がはっきりしていること
・根拠は、合理的なものでなければなりません
・根拠とされる事例は取引の当事者の氏名などの個人が特定できるような情報は開示しないようにします
④媒介契約について
宅建業法第34条の2第2項には次のように規定されています
「宅地建物取引業者は、前項第2号(当該宅地又は建物を売買すべき価格又はその評価額)の価格または評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない
したがって価格査定についてはその根拠が必要になります
世界にひとつの不動産
正確に査定金額を算出することは重要事項です
高額商品ゆえ、同エリアの売買事例の実績が貴重な情報となります
短時間で信頼出来る情報の提示を調査し、数社のデータを比較検討することが大切です
※全宅連 不動産キャリアパーソン 講座テキスト一部参考
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