決済の準備と決済当日の手続き
明日最終決済を取り行う予定だけど、大きなお金が動いたり、実印や印鑑証明その他住宅ローンに関しての手続きがたくさんあると聞いている
お金と引き換えに住宅の引き渡しや登記の手続きがあるみたい
売買契約の決済には多額の金銭やいろいろな書類が必要になるので、決済を円滑に取り行うためには完璧で事前の準備が必要です
決済日になってトラブルが発生しないよう準備すべきことや注意点について把握しておきましょう
1 買主様の資金準備の確認
買主様の資金準備の状況について残代金決済日までに事前に確認します
残代金のうち住宅ローン融資以外の金銭がある場合には、その金額分は現金もしくは預貯金小切手で用意してもらいます
売買代金のほかに決済当日の支払いが必要になる費用、登記費用や仲介手数料についても買主様に準備してもらいます
2 売主様の登記の準備の確認
司法書士の手配と必要な登記手続きの確認
登記手続きを依頼する司法書士は、買主様不動産会社やローンを組む金融機関と相談して決定し手配するのが一般的です
買主様に完全に所有権を移転させるために、所有権移転登記以外の登記手続きが必要になることもあります
売主様が設定した抵当権がついた状態の物件を買主様がローンで購入するような場合、最低限、次の登記手続きをする必要があります
①抵当権抹消登記
②売買を原因とする所有権移転登記
③買主様の借り入れに伴う抵当権設定登記
登記に必要書類や登記費用が異なってくることがあるので、不動産会社の担当営業は事前にどのような登記手続きが必要になるかを司法書士によく確認します
３ 司法書士との打ち合わせ
必要書類の確認
司法書士に必要となる登記手続きのために売主様・買主様にはどのような書類を用意してもらう必要があるのかを確認します
所有権移転登記申請手続きについては次の事項についても確認が必要です
・売主様が「登記識別情報」(所有権登記済証)を所有しているかを確認すること
売主様が紛失などにより所持していない場合は司法書士等の有資格者が「本人確認情報」を作成して提出する「資格者代理人による本人確認情報」の制度を利用することになります
・売主様の登記記録(登記簿)の住所と住民票所の住所が一致しているかどうかを確認すること(一致していない場合は住民票などを添付して所有権登記名義人の住所変更登記の手続きをすることになります)
・司法書士による本人確認
売主様・買主様双方の本人を確認するため、写真付の身分証明として運転免許証等のコピーを用意します
・売主様の印鑑証明書の期限(発行から3ヶ月以内)に注意する
登記費用の確認
登録免許税及び司法書士に対する報酬に関する費用は、決済日当日に現金で支払う必要があり比較的高額となるため、事前に依頼予定の司法書士に見積りをもらって費用を概算で確認しておき、あらかじめ定めた費用負担の取り決めに従って当事者に用意してもらいます
４ 物件の最終確認
①契約内容の通り完成しているか(新築物件の場合)
②売買契約時に確認したことと変わったところはないか
③既存住宅の場合明け渡しが完全になされているか(売主等の残置物はないか)
④契約時に発見できなかった不具合な箇所はないか
⑤付帯設備表の有無
⑥付帯設備がある場合の使用の可否
５ 決済時の精算金の確認
決済時には残代金だけでなく、売買契約の内容に応じて諸費用の精算が必要になります
不動産担当営業は精算が必要なものについて事前に計算書等を作成して、金額を当事者に連絡しておく必要があります
６ 登記記録の最終確認
残代金決済の可能な限り直前に、売買物件の登記記録を確認します
登記記録の確認は登記事項証明書(全部事項証明書)を取得することによりおこないます
・第三者への所有権の移転や売買物件の利用を制限する権利を設定、抵当権などの担保権の設定が行われていないか
・売主様があらかじめ買主に約束していた登記(相続登記等)が完了しているか
７ 登記必要書類の確認
決済時には登記手続きを依頼してある司法書士に立ち会いを求めて登記に必要な書類が揃っているか確認してもらい、問題がなければ残代金の支払いと引き換えに行します
８ 残代金の支払い、諸費用の精算
あらかじめ定めておいた支払い方法に従って残代金を支払い、諸費用精算し、それぞれ領収書に記載してもらい必要な印紙を貼付し割印します
９ 引き渡し
引き渡しは建物については鍵を渡すことにより行われます
土地の場合は「引渡確認書」などの書面を作成し引き渡しを行った日を明確にしておきます
１０ 仲介手数料の授受
あらかじめ締結していた媒介契約書に従って、依頼者から仲介手数料を領収し、不動産会社はその領収書を依頼者に交付します
今までたくさんの不動産取引と決済手続きをしてきました
用意するものの不備があったり、買主様の忘れ物があったり、金融機関に不備があったり・・
一連の流れがなんとなくでもわかると、先の手続きの予習になります
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